知的資産をより具体化してみる

「知的資産」は、企業活動を支え企業の利益を生み出す源泉であり、その企業の特徴となる、”知的活動に起因する”資産です。

例えば、「営業力が強い」ことが企業の利益を生み出しているのであれば、それは”知的活動に起因する”ものであり「知的資産」と考えられます。

ですが、その「営業力の強み」が”特定個人の力による”ものと”営業部門のチーム力による”ものでは、その性質が異なってきます。
また、その「営業力」も”個人向けに強い”のか、”法人向けに強い”のかで異なってきますし、どの程度強いのかも問題となってきます。

 

このように、「知的資産」を考えるうえでは

・特徴:何を、どんな事をといった「知的資産」が提供する企業の特徴となるもの

だけでなく、

・主体:誰が、何がといった「知的資産」の主体となるもの

・対象:誰向けに、何向けにといった「知的資産」のターゲット

・比較:競合他社や一般的基準と比べてどの程度「知的資産」が優れているのか

という項目も見ていくことが重要です。

 

例を挙げてみると、

「営業部門のチーム力による、特定業種向けの営業力は、競合他社と比較して2倍の成約率を誇る」

・特徴:営業力の強さ
・主体:営業部門のチーム力
・対象:特定業種向け
・比較:2倍の成約率

 

「ある技術者が、精密さを求められる特定市場向けに他社比2倍の性能を誇る製品を開発する能力がある」

・特徴:製品開発力
・主体:ある技術者
・対象:精密さを求められる特定市場向け
・比較:2倍の性能

 

という感じです。

こうして表現してみると、その企業の「知的資産」がある程度具体的に分かるようになってきます。

 

この4つの項目のなかで、「特徴」と「主体」については、「知的資産」の性質を知るうえで重要であり、また「対象」と「比較」については、その価値の強さを知るための判断基準となります。

次回以降は、「知的資産」の性質を、「特徴」と「主体」に着目し、もう少し深掘りしてみます。