自動車に関する諸手続きは、行政書士業務のなかでも主要なもののひとつです。
自動車を所持し利用するためには、陸運局に登録しナンバープレートを貰わないといけません。
その際に、きちんと自動車の保管場所があることが前提となり、そのための証明書を、事前に最寄りの警察署に申請し交付してもらう必要があります。
そうした一連の手続きは、通常は購入先の自動車ディーラーが代行していることから、自動車購入者があまり意識することはありませんが、手続自体を自動車ディーラーと提携する行政書士が請け負うことも多いのです。
主な業務内容を以下にご紹介します。
■車庫証明
最寄りの警察署にて所定の申請を行うと、数日後に警察署が現地を視察し問題ないことが確認できると車庫証明書とシールが配付されます。
元来、所有者本人でも申請できるレベルの難易度ですが、警察署に2度赴かなければならない、各警察署により若干ルールが異なるといった理由から、行政書士に依頼されるケースが多いです。
■自動車登録、名義変更
陸運局に申請し、自動車のナンバープレートの交付および封印を行ってもらうための一連の手続きを行います。
封印とは、ナンバープレートを勝手に取り外しができないようにするために、後部プレートの左上に施されるもので、通常は陸運局内にある封印所にて行います。
ただし、「出張封印」という、わざわざ陸運局まで自動車を持っていかなくても自分の駐車場にてプレート交換ができるサービスを行政書士が手掛けています。
このように、比較的容易な手続き業務ではありますが、駐車場のある地域で実際に手続きをしなければならないなど手間のかかる面もあり、そうした点から行政書士に代行を依頼することの多い業務でもあります。
なお、余談ですが、中古自動車の名義変更に関しては注意が必要です。
自動車ローンの関係から、所有者が使用者でなく自動車ディーラーの場合もあり、手続きが煩雑になるケースもあります。また、キチンと所有者変更手続きを行われていないことによるトラブル事例も散在しております。
そうしたトラブルにならないためにも、購入前に名義に関する事項を売主に確認し合意しておくこと、適切に名義変更を行っておくことをお勧めします。
相続に伴う名義変更についてもご注意ください。
キチンと遺産相続分割協議が完了してから行わないと、名義変更自体が無効になる可能性があります。
自動車も立派な資産です。たかが車と安易に考えずキチンと権利関係を整理することも重要です。