これまで「知的資産」とはどのようなものかを述べてきましたが、当事者である企業自身および第三者からみて、その企業にどのような「知的資産」があるのかが分からなければ意味がありません。
「知的資産」を”見える化”するひとつの方法に、「知的資産経営報告書」という形にまとめるというものがあります。
「知的資産経営報告書」は、企業の「知的資産」およびそのストーリー、KPIを用いた指標や今後の経営戦略までを網羅した、「知的資産」を用いてどのように企業が利益を生み出し今後どのように発展していこうとしているかを把握できる報告資料です。
経済産業省の「知的資産経営ポータル」サイトに掲載されている「知的資産経営の開示ガイドライン」等によると、概ね以下の構成を想定しております。
●企業概要、沿革
●経営理念
●製品・サービス概要
●知的資産(製品、技術、マネジメント)、およびストーリー(現在)
●評価指標、業績との関連性
●将来に向けた取り組み、今後の事業展開
最初の3つは、企業の全体像が把握できるようにするためのものです。
「知的資産およびストーリー」の部分で、企業にある「知的資産」とそれが利益を生み出すための一連のストーリーを分かりやすく解説することになります。
「評価指標、業績との関係」の部分で、「知的資産」を客観的に評価し、また「知的資産」が利益を生み出していることを裏付ける資料をつけることで、先に述べた「知的資産」の価値の妥当性を記しています。
最後に「将来に向けた取り組み、今後の事業展開」で、今後の企業の方向性を表しています。
このような形で企業の「知的資産」とそれが利益を生み出す仕組みを記すことで、企業自身および第三者が客観的に把握することを可能とします。
なお、「知的資産経営ポータル」サイトには、さまざまな「知的資産経営報告書」の公開事例が掲載されておりますので、興味のある方はいちどご覧になってみてください。
「知的資産経営ポータル」サイトは、当事務所サイトのリンク集に掲載しております。