企業のあるべき姿と「知的資産」

「知的資産」は、企業の利益を生み出す源泉です。

もう少し詳しく説明すると、「企業理念・方針」>「マネジメント」>「技術・ノウハウ」>「製品・サービス」に至る一連の「知的資産」によるストーリーによって生み出され提供される”価値”が、企業に利益をもたらすということです。

ということは、企業は自社の保有する「知的資産」がキチンとストーリー上に配置され効果を及ぼしている状態が理想的といえます。

 

ところが、現実にはストーリーに乗れていない「知的資産」が点在しているケースも見受けられます。

せっかくの「知的資産」を活かしきれていない”宝の持ち腐れ”状態にある訳です。

なぜそのような状態になってしまうのかについては様々な原因が考えられますが、一番大きいのは”それを「知的資産」と気づいていなかった”、もしくは”重要な資産と考えていなかった”という点ではないかと思われます。

 

「知的資産」は、それ自身が「資産」であることがなかなか気づきにくいものです。

そのため、特に「知的資産経営」を意識せず経営している場合には、企業活動の過程で生み出される「知的資産」が徐々に繋がりストーリー化されていくなかで、うまく繋がらず単発で残ってしまうものが散在することになりやすいのです。

 

限られた有形資産で勝負をする中小企業にとっては、「知的資産」はもっとも重要な資産といえます。

そう考えると、”宝の持ち腐れ”となっている「知的資産」は、キチンと有効活用できるよう、現状の「知的資産」ストーリーに組み込むことを検討することが大切です。

そしてそのことにより、よりよい”価値”を提供できるようになることが期待でき、結果として更なる利益の創出に繋がる可能性があります。

 

また、その「知的資産」に関する活動は、いままでは利益に直結しないある意味無駄な活動だった訳で、これを活用できるようにすることで社内での業務効率化の促進にも繋がります。

 

このように、保有するすべての「知的資産」が、”価値”を生み出す「知的資産」ストーリー上に配置され最高のパフォーマンスを得られる状態こそが、企業としてのあるべき姿と考えます。

そのためにも、自社にある「知的資産」の棚卸とそれを繋ぐストーリー、そしてそこから生み出される”価値”をしっかり整理、分析することが大切です。

 

そして、整理、分析した結果を「知的資産経営報告書」の形にまとめ上げておくと、その後のマネジメント、プロモーションその他様々な企業活動に大いに役立ちます。

 

次回以降は「知的資産経営」および「知的資産経営報告書」の具体的な活用方法をご紹介いたします。