人材獲得ツールとしての「知的資産経営」

知的資産経営の3つめの活用方法は、「人材獲得ツール」としての活用です。

 

大手企業であれば、さまざまな情報発信やメディア等を通じて、企業のブランドイメージがある程度確立されています。

そのため、これから就職を考えている学生等にとっては、その企業がどんな取り組みをしていて、どういう人材を求めているのか、就職すればどんな仕事が待っているのかといった情報もある程度得ることができます。

 

ところが、中小企業の場合には、まずそもそも認知されていないことも多く、また、どんな企業なのか具体的な情報を入手すること自体が難しいのが実情です。

企業側にしても、そうした就職を考えている学生等に対して、どんな情報を発信すればいいのか自体掴み切れていないことも多々あります。

 

一般に就職を考える学生等の方々は、就職に際し、単に給与水準だけではなく、福利厚生、仕事のやりがい、教育制度といった点も検討材料にしています。

自分が就職してからどのように成長していけるのか、どんな保障をしてもらえそうか、そして仕事にやりがいを感じられるのかといった点が気になる訳です。

就職する側としては、自分の人生の大半を賭けることになる訳ですから、そうした点を踏まえできるだけ安心できる企業に就職したいと思うのも当然です。

 

ところが、中小企業の場合、一般的に給与水準と募集する職種くらいしか情報がないことが多く、そうなるとより情報が露出されている大手企業に流れていくのも仕方がありません。

ましてや、中小企業の場合、十分な福利厚生がないなどのマイナスイメージを持たれることも多いのが、それに拍車をかけています。

 

ですが、そうした福利厚生や給与水準ばかりで就職先を決めている訳ではないため、例えば企業理念に共感でき、自分がやりたいと考えている仕事ができ、従業員を大切にする企業だと分かるのであれば、十分選択肢に加えてくれます。

さらに、今後の企業自身の成長性や発展も見えているのであれば、就職したいと考える学生等も少なくないのではないかと思われます。

 

そうした学生等に対し、適切な情報を発信するうえで知的資産経営が役に立ちます。

 

企業理念、企業としての強みは何か、従業員がどういう仕事をして活躍しているのか、どんな福利厚生、教育制度があるのか、今後企業がどういう方向に向かい成長していくのかといった情報は、すべて知的資産経営に基づく分析の過程で明確化されています。

あとはそれを就職を検討している学生等向けに適切に発信すればいいだけです。

 

逆に、企業側にしても、今後どういう人材を求めるべきかが明確化されるので、どこに対してリクルート活動をすれば求める人材にアピールできるのか、より具体的に取り組むことも可能となります。

 

このように、知的資産経営を人材獲得ツールとして活用することで、よりよい人材を得て企業を発展させることに繋がります。