「契約」とはなんですか?

*カテゴリ:法律や制度に関すること
掲載日:2012/01/24

「契約」とはなんでしょうか。

 

すぐにイメージされるのは、相手方とのなんらかの取り決めを書面にした「契約書」の存在だと思います。なかには「契約書」そのものが「契約」だと思っている方もいらっしゃるかもしれません。
そうしたイメージから、「契約」とは普通の生活においては縁遠いものという印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

もちろん「契約書」は「契約」における重要な位置を占めるものではありますが、「契約書」イコール「契約」ではありません。
むしろ「契約書」の形式をとっている「契約」のほうが世の中には少ないかもしれません。

 

例えば「売買契約」

普通にコンビニなどで買い物をしますが、これは法律上「売買契約」にもとづく取引です。
物品と代金をその場で交換しているため「契約」を意識することがありませんが、法律上での観念では、その場で「契約」を締結し即時に履行(契約にもとづく義務を果たすこと)したとみなされます。

同じ「売買契約」でも、土地の売買のように規模が大きくなると「売買契約書」の形を取ることが通常ですが、これも別段「契約書」が無いと土地の売買が成立しない訳ではありません。
もっとも、土地などの場合には、別の理由で「売買契約書」が必要になってくるのですが、それでも「契約書」が無いから「売買契約」が無効だということにはならないのです。

 

また、よく引き合いに出されるのが「口約束」です。
これも「契約書」があるわけではありませんが、約束を守らないと、場合によっては「契約」の不履行とみなされて、損害賠償を支払うことになることもあります。

 

このように、「契約」と「契約書」はイコールではないばかりか、実は身近な存在なのです。そして現代社会を成り立たせているものが「契約」と言って過言ではないほど、重要な存在でもあります。
では改めて「契約」とはいったいなんでしょうか。

 

「契約」とは、”相対立する二つの意思表示の合致によって成立する法律行為”のことを指します。

「相対立する二つの意思表示」というのは、簡単に言うと「こうしたい」という意思の表現(これを「申し込み」といいます)と、それに対する「わかりました、それでいいですよ」という意思の表現(これを「承諾」といいます)のことを指します。

コンビニでの買い物の例でいえば、客側の「この商品をこの代金で買いたい」というのが「申し込み」、コンビニ側の「いいですよ、売ります」というのが「承諾」にあたります。
実際には、コンビニのレジで上記のようなやり取りがある訳ではないですが、客が商品を手にとってレジに持っていくという行為は「申し込み」の意思を表しているとみなされ、コンビニ側がレジ打ちの作業を始める行為は「承諾」の意思を表しているとみなされます。このように、必ずしも「言葉」で意思を示さなくても、所定の行為をすればその意思があるとみなされます。

 

そして「法律行為」とは、少々説明が難しい概念ですが、ざっくりというと”法律上の権利義務を発生させること”とお考えください。

コンビニの例でいうと、客は「商品を引き渡してもらう」という権利を得ることになり、コンビニ側は「商品を引き渡さなければならない」という義務を負うことになります。「売買契約」の場合には、同時にコンビニ側に「代金を受け取る」権利、客側に「代金を支払わなければならない」という義務もそれぞれ発生します。

 

このように、一方の「申し込み」という意思表示に対して、他方の「承諾」という意思表示が合致して、その結果、合致内容に沿った一定の権利義務が発生すること、これが「契約」ということになります。
また、「契約」には、原則として特に書面での約束などの形式を問われないということも重要です。

 

なにやらややこしい説明となってますが、「契約」の基本を理解するうえで、まずはこの点をご理解いただければと思います。