契約の形態

*カテゴリ:法律や制度に関すること
掲載日:2012/04/06

契約には、「売買」「贈与」「賃貸借」「消費賃借」「使用賃借」「寄託」など13種類の形態が民法で定められています。

ですが、その型に当てはまらないものは契約として成立しないかというと、そんなことはありません。

以前にもお伝えしたように、契約は当事者間の意思表示の合致で成立し、その内容は無効となるものでない限り有効なのです。

 

ではなぜ13種類の契約形態が定められているかというと、契約行為の簡素化のためです。

 

本来であれば、契約のたびに当事者間でひとつひとつ決め事を合意する必要があります。

仮に重要な事柄にもかかわらず合意事項から漏れてしまったら、深刻なトラブルになりかねませんから、そうしたリスクを回避するためには、かなり慎重に契約内容を詰めなければならないことになる訳です。

それはかなり大変なので、一般によく用いられる契約形態での基本事項を定めておいて、その部分を当事者間で合意していない場合には、その基本事項に基づいて合意したとみなすこととしたのです。

これにより、必要最低限のことだけ合意確認すればいいのでかなり簡素化されますし、おおざっぱな契約をしてしまった場合でも、法令によって足りない部分が補完され、まんいちトラブルになった場合でも、裁判所にて法令にもとづく客観的な判断により迅速に解決が図れるという訳です。

 

逆にいうと、ある程度キチンとその形態に定められている内容を知っておかないと、あとから「そんなことは知らなかった」「そんなつもりではなかった」と言っても仕方がないのでご注意を。

 

すべての形態を解説するのは大変ですので、気をつけておきたい点を列挙しておきます。

 

双務契約か片務契約か

契約の当事者双方とも相手になんらかの義務を負うものを「双務契約」、当事者の一方しか義務を負わないのを「片務契約」と呼びます。

双務契約の場合、お互いに義務を果たすことが求められるので、一方が義務を果たさない場合に、他方も相手への義務を果たさなくてもいいという決まりごと(これを同時履行の抗弁権と言います)があります。

双務契約の代表例は「売買」「雇用」「請負」「賃貸借」で、片務契約の代表例は「贈与」ですが、当事者双方ともなにかをすることが求められているかどうかで概ね判断することができます。

仮にトラブルになったときには、どちらのパターンなのかを意識するとよろしいかと思います。

 

有償契約か無償契約か

契約に伴い、相手に対価を支払う必要があるものが「有償契約」、そうでないものが「無償契約」です。

有償契約の代表例は「売買」「雇用」「請負」「賃貸借」で、無償契約の代表例は「贈与」です。

有償契約の場合には、対価や提供物に対しての提供する側の責任範囲が大きく、一般に期待されるものより低品質なものを提供した場合に、補償しなければならない義務が生じます。

例えば、有償契約である「売買」により購入したものがどこか故障していたら、売主に対してなんらかの対応を求めることができますが、無償契約である「贈与」で貰ったものに対しては、どこか壊れていても文句はいえないことになります。

 

諾成契約か要物契約か

当事者間の合意のみで成立するのが「諾成契約」、目的物の引渡しも行われはじめて成立するのが「要物契約」です。

契約では諾成契約が原則ですが、「消費賃借」「使用賃借」「委託」については、対象となるモノを相手に渡さないと契約そのものが成立しないこととされています。

「消費賃借」の代表例はローン契約です。借りたはずのお金がまだ手元にないのに、契約が成立したとされ利息を取られるのは変ですよね。

 

要式契約か

「要式契約」とは、例えば必ず書面で行うなど一定の方式にもとづいて契約をすることを求められるものです。

代表例は「保証契約」で、キチンと書面にて契約を行わないと無効とされますので、ご注意ください。

 

 

このように、契約を行ううえで、その内容や効果などを意識するだけでも、トラブルを未然に防ぐことができます。

ただ、なかなか細かい点をすべて把握することは難しいのも事実です。

契約を行うにあたり、なにか疑問などを感じるようであれば、お近くの行政書士にお気軽にご相談してみてはかがでしょうか。