在留資格を持ち日本で生活する外国人には、日本人と違ういくつかの制約があります。
そのひとつが「出国時の制約」です。
在留資格は、法律上は「日本国内に滞在する外国人」に対して特別に与えた許可です。
ですのでこの許可は、その外国人が日本に滞在している状態でのみ有効となります。
これを裏返すと、その外国人が日本から出国した時点で「日本国内に滞在する」という状態ではなくなり、その身分のうえに成立していた在留資格は当然のように消えて無くなります。
この考え方は一般的に理解されにくいかもしれませんが、例えば「結婚している専業主婦は国民年金第3号被保険者になる」というものがありますが、離婚した時点で「結婚している専業主婦」という状態ではなくなり、当然に「第3号被保険者」という資格が消えてなくなることと同じ考え方です。
決して「在留資格」というものが独立して付与されている訳ではなく、あくまでも「日本国内に滞在する」外国人という地位のうえに成立しているということをご理解ください。
そのため、在留資格を持つ外国人が日本国から出国してしまうと、その時点で在留資格を失います。
再度日本に入国するためには、改めて在留資格の取得手続きからはじめる必要があります。
以前取得していたからとか、ちょっとだけ離れただけじゃないか、などという言い訳は一切通用しません。
厳しいのではないかと思われるかもしれませんが、そもそも在留資格は状況や身分などを勘案し”特別に滞在することを許可”するものであって、本来は入国するごとに状況等は変わるので都度審査するのが原則なのです。
ですが、実情を言えば、いったん日本に滞在し始めたあと一時的に国外に行かなければいけないことも多々あります。
そこで予め入国管理局に許可を貰えば、現状の在留資格を維持した状態で”特別に”一時的に国外に出ることを認めることとしています。
これが「再入国許可」です。
このように、在留外国人はそもそもを日本人と立場が違うことを認識することが大切です。
なお、今年7月の在留制度の大改正に伴い、「再入国許可」に関しては「みなし再入国制度」というものが新たに設けられました。
これは1年以内に再入国するのであれば、出国時に簡単な手続きで「再入国許可」をしたことにする制度です。ただし以下の制約があります。
・1年を超えての出国は不可
・1年を超えての出国先での延長手続は不可。事情を問わず1年以内に再入国しなければならない。
上記に当てはまりそうな場合には、従来通りの「再入国許可」申請が必要となります。