在留資格の種類

外国人が日本で暮らすためには、なんらかの在留資格が必要となります。

そしてその在留資格は、外国者のプロフィールや日本での活動内容によって27種類に分類されています。

 

以下、簡単にご紹介します。

なお、各在留資格の説明はかなりざっくりとしたものです。

 

■就労が認められる在留資格

外交 外交官、領事館、外交使節など外交活動に従事する者およびその家族
公用 在日外国公館など、国内にて公用活動を行う者およびその家族
教授 大学もしくはそれに準じる教育機関における教授等
芸術 作曲家、画家、彫刻家等収入を伴う芸術活動を行う芸術家
宗教 外国にある宗教団体から派遣され日本にて布教活動等を行う宗教家
報道 外国の報道機関との契約に基づき取材等を行うジャーナリスト
投資・経営 一定の要件のもと投資・経営、または事業の管理業務を行う者
法律・会計事務 法律・会計関連の職業のうち日本の法律上の資格を有する者
医療 医療関係の職業のうち法律上資格を有することが求められる医療系業務に従事する者
研究 研究等を行う国または公共機関等との契約に基づき試験、研究等の業務に従事する者
教育 小・中・高等学校およびそれに準じる教育機関にて教員免許を有し教育を行う者
技術 理学・工学等の自然科学の分野に属する技術、知識を必要とする業務に従事する者
人文知識・国際業務 人文科学の分野に属する技術、知識を必要とする業務、もしくは外国人特有の文化知識や感性を生かした業務に従事する者
企業内転勤 外国にある企業から日本国内にある本店または支店等に転勤し、技術または人文科学・国際業務相当の業務に従事する者
興業 演劇、歌謡、スポーツ等の興業活動、もしくは映画制作、モデル等の芸能活動を行う者
技能 外国料理の調理、スポーツ指導等の特定技能を要する業務に従事する者
技能実習 日本の公私の機関との契約に基づき当該機関の業務に関する技能や知識を習得を目的とする者

 

■就労が認められない在留資格

文化活動 収入を得ることなく学術または芸術上の活動を行う、もしくは学ぼうとする者
短期滞在 観光等の所定の要件で短期間日本に滞在する者
留学 高等学校以上の教育機関またはそれに準じる機関で教育を受けようとする者
研修 技術、技能または知識の習得をする活動を行う研修受入先にて技術等を習得しようとする者
家族滞在 上記のうち教授から文化活動、および留学の在留資格にて在留する者の扶養を受ける配偶者または子

 

■就労の可否は個別に判断することになる在留資格

特定活動 特定研究事業活動や特定情報処理事業活動に従事する者およびその家族、外交官等の家事使用人など特定の要件を満たす者

 

■活動に制限を受けない在留資格

永住者 永住許可を受けている者
日本人の配偶者等 日本人の配偶者、日本人の子として出生した者および日本人の特別養子
永住者の配偶者等 永住者および特別永住者の配偶者または子として日本で出生しその後引き続き日本に在留している者
定住者 いわゆる難民条約に該当する難民、日系二世、三世等の定住者等

 

 

なお、上記以外にも、入国管理法で定められていませんが「特別永住者」といういわゆる在日韓国人などが該当する資格もあります。

 

 

 

行政書士業務:交通事故関連

行政書士の交通事故業務とは、いったいどのようなことをするのでしょうか。

それを理解するうえで、まずは交通事故に遭ってから解決するまでの流れを簡単に説明します。

 

1)交通事故発生

このときに、警察は加害者、被害者それぞれ立会いのもと検分を行い実況見分調書を作成します。

この調書にもとづき、両者の過失割合が決定されます。

2)被害者の治療

被害者が怪我を負った場合には治療を行います。

この際の治療費、交通費、および休業補償などが損害賠償の対象となります。

3)修理等

修理費、代車代等は、物損による損害賠償の対象となります。

4)後遺障害の認定

事故により、治療を続けても、これ以上は改善が見込まれない障害を負う場合があります。

これを「後遺障害」といい、認定された障害の等級に応じた損害賠償を貰うことができます。

5)示談

治療費、後遺障害、物損、および慰謝料につき、両者で合意形成をしたのち示談となります。

なお、示談が成立しなかった場合には、訴訟という形で争うことになります。

 

ここに自賠責保険および任意保険が絡んできます。

 

自賠責保険というのは、自動車を所有すると強制的に加入させられる保険です。車検の際に必ず更新しているので、皆様ご存じかと思います。

この保険は、被害者に対して、怪我の場合は最大120万円、死亡の場合は最大3,000万円、後遺障害等級に応じて1等級最大3,000万円~14等級最大75万円が支給されます。

任意保険は、各損保会社が提供する保険に任意に加入するもので、契約内容に応じた補償をしてくれます。

そして、被害者に対する加害者の損害賠償は、まずは自賠責保険、つぎに任意保険から支払われることとなります。

 

ざっくりとですが、交通事故についての概要は以上です。

 

 

さて、このなかで行政書士が関与するのは、大きくは以下の2点です。

 

■自賠責保険の申請

一般に自賠責保険申請は、加害者が加入してい損保会社の担当が対応してくれますが、時おり折り合いがつかない等で対応してくれないケースがあります。

その場合、「被害者請求」という制度により被害者自身が直接申請手続きをすることができますが、この申請代行およびサポートを行政書士が対応しております。

 

■後遺障害認定

後遺障害に認定されるためには、現状まだまだ壁があるのが事実です。

特に、一見して判断できる身体の障害ではなく、ムチウチや脳障害などは非常に診断が難しい分野です。

そこを、適切な等級になるようサポートし認定もしくは異議申立て手続きを代行することを行政書士が行っております。

 

上記に加えて、交通事故に関する相談や示談書の作成も業務となります。

 

交通事故といっても、すべてが交渉事ではなく事実認定や手続き的な部分も多分にあります。

そうした部分を行政書士がサポートし、必要に応じて弁護士と連携することで、トータルとして被害者の利益を保護する体制を組むことが大切です。

 

交通事故で悩まれているかたは、お気軽に当事務所までご相談いただければと思います。

 

 

 

「知的資産」の”見える化”

これまで「知的資産」とはどのようなものかを述べてきましたが、当事者である企業自身および第三者からみて、その企業にどのような「知的資産」があるのかが分からなければ意味がありません。

 

「知的資産」を”見える化”するひとつの方法に、「知的資産経営報告書」という形にまとめるというものがあります。

 

「知的資産経営報告書」は、企業の「知的資産」およびそのストーリー、KPIを用いた指標や今後の経営戦略までを網羅した、「知的資産」を用いてどのように企業が利益を生み出し今後どのように発展していこうとしているかを把握できる報告資料です。

経済産業省の「知的資産経営ポータル」サイトに掲載されている「知的資産経営の開示ガイドライン」等によると、概ね以下の構成を想定しております。

 

●企業概要、沿革
●経営理念
●製品・サービス概要
●知的資産(製品、技術、マネジメント)、およびストーリー(現在)
●評価指標、業績との関連性
●将来に向けた取り組み、今後の事業展開

 

最初の3つは、企業の全体像が把握できるようにするためのものです。

「知的資産およびストーリー」の部分で、企業にある「知的資産」とそれが利益を生み出すための一連のストーリーを分かりやすく解説することになります。

 

「評価指標、業績との関係」の部分で、「知的資産」を客観的に評価し、また「知的資産」が利益を生み出していることを裏付ける資料をつけることで、先に述べた「知的資産」の価値の妥当性を記しています。

 

最後に「将来に向けた取り組み、今後の事業展開」で、今後の企業の方向性を表しています。

 

 

このような形で企業の「知的資産」とそれが利益を生み出す仕組みを記すことで、企業自身および第三者が客観的に把握することを可能とします。

 

なお、「知的資産経営ポータル」サイトには、さまざまな「知的資産経営報告書」の公開事例が掲載されておりますので、興味のある方はいちどご覧になってみてください。

「知的資産経営ポータル」サイトは、当事務所サイトのリンク集に掲載しております。

 

 

 

在留管理制度とは

在留管理制度とは、日本に滞在する外国人を管理する仕組みです。

 

日本では、原則として日本国内に居住するのは日本人のみとしております。しかしながら、現在の国際社会において、国内に外国人を一切受け入れないということは現実的ではありません。

そこで、日本国にとって有益な外国人に限り受け入れるという方針にて日本国内への在留を認めることとし、在留許可、不許可の判断および外国人に関する情報の管理は法務局入国管理局が行うこととしております。

 

日本国にとって有益な外国人とは、ざっくり言うと、

・外交や公用上の理由により、日本国に滞在することが必要となる者

外交官や外交使節、国賓、国際機関、外国公館の公用職員、およびその家族などが該当します。

・一定以上の技能、技術、能力を持ち、国益の増強に貢献すると考えられる者

技術者、教師、経営者、コーチ、芸能、医療関係者、研究者、法律家などが該当します。

・外国に日本の高度な技術を伝えるべく技術等を習得するために教育を受ける者

留学生や実習訓練生などが該当します。

・日系人など日本人に準じる扱いを受ける者

ブラジルやフィリピンなどからの日系人などが該当します。

・観光者

短期滞在し、日本国内を観光目的で旅行するものが該当します。

 

といった感じです。

上記をご覧になりお分かりかと思いますが、誰でもできる労働に従事する、いわゆる「単純労働者」は含まれておりません。

 

 

日本に滞在したい外国人は、まず入国管理局から在留の許可を得る必要があります。

その際に、滞在理由と本人の能力、資格、状況等に応じた在留資格を与えられ、その資格で定められた範囲(就労の可否や職種など)でのみ、日本国内での活動を許されます。

仮に、許可された範囲を超えた活動をした場合には、許可が取り消され国外退去処分を受けることとなります。

 

在留資格には、原則として期限が定められており、その期限を越えて滞在したい場合には更新の手続きが必要となり、その際に改めてチェックされます。まんいち在留資格を満たさない状況になっていたら、許可は下りず国外に退去しなければなりません。

 

また、在留資格をもつ外国人が一時的に国外に移動する際には、あらかじめ許可を必要とします。

仮に許可を得ないまま国外に出た場合には、改めて入国の許可から行う必要があります。

 

 

このように、日本に滞在する外国人は、こうした厳しい在留管理制度に従う必要があり、更新の手続きを怠ったまま滞在を続けたり、許可を得ずに入国したような場合には「不法滞在」とみなし、強制的に国外退去処分を受けることになります。

 

 

 

行政書士業務:入管業務関連

入管業務は、正しくは申請取次業務といい、士業として取り扱うことができるのは弁護士と行政書士のみです。

ただし、実際に申請取次業務を行うためには、あらかじめ入国管理局が取扱を承認されている必要があり、弁護士や行政書士なら誰でもできるという訳ではありません。

さてこの申請取次業務ですが、具体的には日本に滞在する外国人の在留ビザに関する手続きの申請を取次ぐことを業務としています。

 

外国人が日本に滞在するためには、なんらかの在留ビザが必要となり、その取得のための手続きは本人が入国管理局に出頭して行うのが原則となっています。

ですが、申請取次業務を行うことができる者が、本人の代わりに申請手続きを代行し、本人は出頭しなくても済むようにすることができるのです。

申請が許可されるかどうかについては、入国管理局の裁量も大きく、できるだけしっかりとした情報を揃えたうえで申請したほうが許可の可能性が高まることから、専門家である申請取次業務取扱行政書士の果たす役割は大きいと言えます。

 

さて、在留ビザに関する手続きには、大きく以下の種類があります。

 

●在留資格認定証明書の交付手続き

外国人が日本に来るためには、まず適切な在留資格を取得する必要があります。

そのために”日本国内”にて、入国管理局にて事前審査し「在留資格認定証明書」を発行してもらい、それを海外にいるその外国人に送付。証明書を受け取った外国人は、現地の在外公館にそれを提出しビザを受け取ります。

 

●在留期間更新の手続き

在留ビザには、「永住」などのごく一部の資格を除き、6か月から最長5年までの有効期間が定められています。

有効期限が切れる前に、その更新の手続きを行い、改めて資格の要件を満たしているかの審査を受けたうえで許可されることになります。

 

●在留資格変更の手続き

在留ビザには27の資格区分があり、それぞれの資格に応じた活動しか許されません。また、資格の要件も定められていますので、要件を満たさなくなった場合、もしくは活動内容を変更したい場合には、変更の旨を申請し、審査を受けなければなりません。

 

●就労資格証明書の交付手続き

現在の就労資格での活動範囲を証明したい場合に、入国管理局に申請して「就労資格証明書」を交付してもらえます。

 

●資格外活動許可の手続き

在留ビザの種類によっては、就労してはいけないものもあります。代表的なものに、「留学」「家族滞在」などがあります。

また、現在の在留ビザで許可されている以外の職を兼務したい場合もあります。例えば「技術」では通訳や語学教室の教師をアルバイトで行うことができません。

このような場合に、「資格外活動」したい旨を入国管理局に申請することにより、活動範囲を広げることができます。

もっとも、広げられる範囲には制約がありますし、無条件で認められる訳ではありませんので、注意が必要です。

 

●再入国許可の手続き

在留外国人が、一時的に日本を離れる場合には、あらかじめその旨を申請し許可を得る必要があります。

この許可を得ずに出国してしまった場合、在留許可そのものが消滅してしまうので、再入国しようとするためには、改めて在留資格認定から始めなければいけません。

 

 

こうした手続きを代行し、外国人が安心して日本で暮らせるようにサポートすること、またキチンと手続きをすることで不法滞在や不法就労を減らすことが、申請取次業務を取り扱う行政書士に求められていることです。

 

 

 

「知的資産経営」における評価指標

「知的資産経営」とは、企業の利益の源泉となる”強み(知的資産)”、その”強み(知的資産)”を生み出すストーリーをキチンと把握し効果的に活用することで、よりよい経営を実現していくものです。

さて、この”強み”ですが、誰からみても”強み”と思ってもらえるものでなければいけませんが、もうひとつ「どの程度」強いのかという点も重要になってきます。

というのも、”強み”が競合他社との優位点にならなければ、利益の源泉とは成り得ないからです。

ということは、その”強み”が競合他社を基準とした場合にどの程度の強さを持つのか、ということがある程度客観的に見えることが必要なのです。

 

例えば、同種製品で市場シェアが60%の商品Aと30%の商品Bでは、商品Aを提供する企業のほうが明らかに優位です。

ですので、その企業は”他社より圧倒的な市場シェアをもつ商品”という”強み(知的資産)”をもち、その度合は数値で測ることが可能です。

 

ところが、”他社よりも優れた営業力”という”強み(知的資産)”を考えてみましょう。

これを競合他社と比較して、どう評価すればいいのでしょうか。

”うちには営業が他社より2倍いるから”といったところで、あまり有能でない営業が2倍いても”強み”とはいえませんよね。むしろ半分しかいない他の企業のほうに優秀な営業が揃っていたら、どちらに営業力があるのか分かりません。

 

 

このようなときに役に立つのがKGI(key goal indicator:重要目標達成指標)、およびKPI(key performance indicator:重要業績評価指標)です。

KGI、KPIともに、もともとは企業目標やビジネス戦略を実現するために設定した具体的な業務プロセスの達成度合いを評価するための指標として用いられるものです。KGIは目標達成の成果を定量的に表すのに対し、KPIはその過程の達成度合いを定量的に測定するために用いられます。

 

具体的には、「利益拡大」という企業目標があった場合に、KGIとしては「売上高」「利益率」「成約件数」など、KPIとしては「顧客訪問回数」「解約件数」「注文件数」などが挙げられます。

それらの指標が具体的にどういう数値になるべきかを決めることが、間接的に企業目標の達成条件、および達成するための進展度合いの評価基準を決めることになります。

もちろん1つだけに限定する必要はなく、むしろ複数の指標を組み合わせ評価するほうが、いくつかの角度から見ることができるので、望ましいです。

 

 

「知的資産経営」でも、このKGIとKPIを活用することで、先ほどの”他社よりも優れた営業力”という”強み(知的資産)”を間接的に評価することが可能となります。

商談を発掘し獲得(成約)することが営業の目的です。ですので、例えば「受注率」「成約率」などがKGIとして挙げられ、「1日あたりの顧客訪問数」「商談化数」「商談進展率」などがKPIとして挙げられます。

 

そして大切なことは、これを競合他社と比較できるようにすることです。

もちろん他社の情報を漏れなく把握することは難しいですが、外から見える範囲でもある程度推測できるものです。

こうすることで、「どの程度」強いのかを、ある程度客観的に見えるようにすることが可能となります。

 

”強み(知的資産)”を具体的に評価するには、KGI、KPIを活用しましょう。

 

 

 

契約の形態

契約には、「売買」「贈与」「賃貸借」「消費賃借」「使用賃借」「寄託」など13種類の形態が民法で定められています。

ですが、その型に当てはまらないものは契約として成立しないかというと、そんなことはありません。

以前にもお伝えしたように、契約は当事者間の意思表示の合致で成立し、その内容は無効となるものでない限り有効なのです。

 

ではなぜ13種類の契約形態が定められているかというと、契約行為の簡素化のためです。

 

本来であれば、契約のたびに当事者間でひとつひとつ決め事を合意する必要があります。

仮に重要な事柄にもかかわらず合意事項から漏れてしまったら、深刻なトラブルになりかねませんから、そうしたリスクを回避するためには、かなり慎重に契約内容を詰めなければならないことになる訳です。

それはかなり大変なので、一般によく用いられる契約形態での基本事項を定めておいて、その部分を当事者間で合意していない場合には、その基本事項に基づいて合意したとみなすこととしたのです。

これにより、必要最低限のことだけ合意確認すればいいのでかなり簡素化されますし、おおざっぱな契約をしてしまった場合でも、法令によって足りない部分が補完され、まんいちトラブルになった場合でも、裁判所にて法令にもとづく客観的な判断により迅速に解決が図れるという訳です。

 

逆にいうと、ある程度キチンとその形態に定められている内容を知っておかないと、あとから「そんなことは知らなかった」「そんなつもりではなかった」と言っても仕方がないのでご注意を。

 

すべての形態を解説するのは大変ですので、気をつけておきたい点を列挙しておきます。

 

双務契約か片務契約か

契約の当事者双方とも相手になんらかの義務を負うものを「双務契約」、当事者の一方しか義務を負わないのを「片務契約」と呼びます。

双務契約の場合、お互いに義務を果たすことが求められるので、一方が義務を果たさない場合に、他方も相手への義務を果たさなくてもいいという決まりごと(これを同時履行の抗弁権と言います)があります。

双務契約の代表例は「売買」「雇用」「請負」「賃貸借」で、片務契約の代表例は「贈与」ですが、当事者双方ともなにかをすることが求められているかどうかで概ね判断することができます。

仮にトラブルになったときには、どちらのパターンなのかを意識するとよろしいかと思います。

 

有償契約か無償契約か

契約に伴い、相手に対価を支払う必要があるものが「有償契約」、そうでないものが「無償契約」です。

有償契約の代表例は「売買」「雇用」「請負」「賃貸借」で、無償契約の代表例は「贈与」です。

有償契約の場合には、対価や提供物に対しての提供する側の責任範囲が大きく、一般に期待されるものより低品質なものを提供した場合に、補償しなければならない義務が生じます。

例えば、有償契約である「売買」により購入したものがどこか故障していたら、売主に対してなんらかの対応を求めることができますが、無償契約である「贈与」で貰ったものに対しては、どこか壊れていても文句はいえないことになります。

 

諾成契約か要物契約か

当事者間の合意のみで成立するのが「諾成契約」、目的物の引渡しも行われはじめて成立するのが「要物契約」です。

契約では諾成契約が原則ですが、「消費賃借」「使用賃借」「委託」については、対象となるモノを相手に渡さないと契約そのものが成立しないこととされています。

「消費賃借」の代表例はローン契約です。借りたはずのお金がまだ手元にないのに、契約が成立したとされ利息を取られるのは変ですよね。

 

要式契約か

「要式契約」とは、例えば必ず書面で行うなど一定の方式にもとづいて契約をすることを求められるものです。

代表例は「保証契約」で、キチンと書面にて契約を行わないと無効とされますので、ご注意ください。

 

 

このように、契約を行ううえで、その内容や効果などを意識するだけでも、トラブルを未然に防ぐことができます。

ただ、なかなか細かい点をすべて把握することは難しいのも事実です。

契約を行うにあたり、なにか疑問などを感じるようであれば、お近くの行政書士にお気軽にご相談してみてはかがでしょうか。

 

 

 

行政書士業務:法人設立関連

法人設立も、行政書士の主要な業務のひとつです。

 

法人には、株式会社、NPO法人、医療法人、社会福祉法人、学校法人、組合等があり、それぞれ設立に必要とされる要件や手続きが異なります。

以下は、代表的かつ案件数の多い株式会社設立を例にご紹介していきます。

 

■定款、議事録等の作成

株式会社を設立するためには、必ず「定款」という会社の基本規則を作成しなければなりません。

また、会社の機関設計内容や定款の内容によっては、設立時に開催すべき会議の議事録も用意する必要があります。

行政書士は、定款作成代理、および議事録作成を業務として行うことができます。

また、定款を電子定款にて作成し電子公証にて申請を行うと、印紙代がかからないというメリットもありますが、その申請手続きを行政書士も行うことができます。

 

余談ですが、近年とみにテンプレート的に定款を作成する傾向が見受けられます。

これは格安で引き受ける事務所に多く見受けられる模様です。

ただ、定款をただの文書と考えていると、融資を受けたり大きな方向転換を考えたりする際に、実は融資を受ける際にマイナスとなるような記載があったり却下要因を含む内容だったとか、反対者の存在で立ち行かなくなるような規則になってるなど、思わぬ弊害が表面化するトラブルに見舞われることもございますので、ご注意ください。

 

■その他設立サポート

定款の作成段階での会社の機関設計のご支援、公的融資に関する申請サポート、営業に必要な各種許認可申請など、設立に関する様々なご相談に応じております。

 

なお、会社の登記申請は行政書士は行うことができませんので、自身で登記を行うか司法書士にお願いすることになります。

また同様に、税務署関連への届出は税理士、社会保険関連の届出は社会保険労務士の業務になりますので、行政書士が代行することはできません。

 

行政書士は、設立後を見据え適切に会社運営がなされるように各種資料を整えることが主たる役割とお考えいただければと思います。